トヨタ自動車は6日、今年前半にもエジプトで新興国市場向け戦略車の生産を開始することを明らかにした。部品を輸出して現地企業に組み立てを委託し、SUV(スポーツ用多目的車)「フォーチュナー」を生産する。これまで同社は、エジプトには日本からSUVを輸出していたが、現地組み立て体制を整え、販売強化につなげる。
トヨタは、新興国専用車としてフォーチュナーに加えてピックアップトラック「ハイラックス」とミニバン「イノーバ」の3車種を2004年からタイなどで生産を開始。現在は、日本と北米、中国を除く世界170カ国・地域に投入し、3月末には累計販売台数が500万台に達した。
ただ、昨年はタイの洪水で、海外拠点が生産停止や減産を強いられ、販売は前年比4・9%減の77万台と落ち込んだ。
エジプトも、同5%減の1万台と減少したが、同国では日本から輸出している「ランドクルーザー」といったSUVの需要が根強い。関税の問題もあるため、価格の安い新興国向けSUVを現地で組み立てることで、全量を迅速に供給できるようにすることで顧客層を広げる。
新興国向け車両については、昨年の減少を挽回するため、生産を強化している。同日会見した小林一弘常務役員は、「当然、11年以上の世界販売を狙う」と、10年に記録した81万台という過去最高の販売台数を視野に、拡大を目指す考えだ。
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