NTTドコモは21日、スマートフォン(高機能携帯電話)のネット接続サービスで起きたメールアドレスが他人のものと置き換わってしまう障害について、最大約10万人に影響が出た可能性があると発表した。
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同社は、インターネット接続サービス「spモード」で、20日にアドレスが他人のものに置き換わるなどのトラブルが発生してサービスを停止した。
21日会見した辻村清行副社長は、スマートフォン特有の常時接続機能による輻輳(ふくそう)(通信の集中で接続できない状態)が障害原因の一つと説明した。
説明によると、20日午後12時22分に関西地区の中継伝送路の中断によってspモードのユーザー管理サーバーに輻輳が発生。午後6時ごろには障害はほぼ復旧したが、原因究明のためspモードのサービスメニューのうち電話帳バックアップや位置情報、設定変更など約20件を停止した。
20日午後に発生した障害は、メールの送信者名が別人のアドレスに置き換わり返信すると他人に送信されたり、自分のアドレスを確認すると別人名になり、第三者へのアドレス流出の可能性があった。同社によると、電源をいったん切って再起動すると正常稼働するという。
同社の調査によると、障害が発生した可能性のある利用者は約10万人。「今後ログデータ(接続記録)を分析して1週間ぐらいで被害者を特定したい」(辻村副社長)考え。また、「22日午前中までは、念のため再起動してから使っていただきたい」(同)としている。
再発防止策については、ユーザー管理サーバーの処理能力を増強するほか、2〜3カ月かけてアドレス送出関連の処理手順を変更するなど総合的な見直しに取り組むとしている。
ユーザー管理サーバーは8月にも不具合が発生し、処理能力の確認などを実施しているが問題が発見できなかったことについて「なぜ確認できなかったか原因を解明したい」としている。
spモードはドコモが同社のスマホ利用者向けに2010年9月から提供しているインターネット接続サービス。契約者数は約670万人。
ドコモは11日に音声通話がつながりにくくなる障害が、12日に情報提供サービスが使えなくなる障害が発生している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111221-00000516-san-bus_all